中国産OEMの説明書を読むアシストとして入手した「ハードウェアエンジニアのための中国語入門」が予想以上に参考になった話 #技術書典14
家電量販店では見慣れないOEM品をAmazonで購入すると、添付されている取扱説明書に困惑することがあります。日本語記載がないことはよくありますが、英語もなく、唯一中国語のみだった場合には絶望感を覚えます。
文章からニュアンスで読み取れることもありますが、どう見ても日本語の意味で解釈すべきではなさそうな単語もあります。
技術書典14のオフライン会場を回っていたとき、偶然見つけたこの本を取説解読目的にて購入してみました。
ハードウェアエンジニアのための中国語入門について
本書記載の、読者対象としているのは以下のような人たちです。
- ハードウェア開発に関わる人
- 中国語に関心があるエンジニア
- 電子工作が好きな人
- 深圳(及びその周辺)が好きな人
書かれていること
この本では、IT用語によく使われる中国語の表記を紹介し、中国語の基礎について軽く触れた後、様々なハードウェア部品の中国語表記から開発現場でよく使われる用語の中国語表記までを紹介します。
ハードウェア部品の中国語表記を幾つか引用すると以下の通り。
日本語 | 中国語 |
---|---|
USBコネクタ | USB连接器 |
USBケーブル | USB数据线 |
Google翻訳を使えばよい、という反応も出てきそうですが、実際に翻訳してみると、本の表記とは異なるものが多々あります。言語ネイティブによるQ&Aが期待できるhinativeで検索してみたところ、当誌の表記が一致していました。
開発現場系用語での中国語表記を引用すると以下の通り。
日本語 | 中国語 |
---|---|
IoT | 物联网 |
そして、中々お目にしない翻訳表として、素材一覧がありました。
日本語 | 中国語 |
---|---|
アクリル | 丙烯酸纤维 |
ポリカーボネイト | 聚碳酸酯 |
中国語は日本語入力環境では入力しづらいことがあります。単語程度であれば、手入力するよりも目視で確認する方が手間もかからず便利かもしれません。
ポイント
商取引等でトラブルが発生した場合のやり取り例が、中国語で掲載されています。以下はその一例です。詳細は本誌にてご確認ください。
- バリの処理が甘い時
- 塗装の色が指定と違う時
- ロットの一部にヒケがある時
- はんだ付け不良がある時
あとがき
中国語に関する知識が皆無の場合は、この本だけで単独読解するのではなく、中国語入門書及び入力環境を用意した上で、併用することをおすすめします。ある程度の基礎的知識がない場合、解釈に困る可能性があるためです。
この本の筆者は今後、SNSで音声中心の発信も行うとのことです。気になる方はフォローしてみると良いかもしれません。